品質管理部の専管部書である医療安全管理室は、医療技術の品質及び患者満足の維持向上を推進する事をねらいに平成14年8月に設置されました。
感染管理室、職員教育研修室とともに、院内基本方針の一つである「最高の安全システム」を築くため、各職種の職員が一丸となって医療安全に取り組めるよう組織横断的に院内の医療安全を推進しています。
スタッフは、医療安全管理責任者(院長が代理と任命する管理責任医師)、医療安全管理者(専従担当者)、医薬品安全管理責任者(薬剤師管理職員)、医療機器安全管理責任者(臨床工学技士管理職員)、事務担当者(事務管理者)の5名です。
医療安全管理室では、インシデントレポートの報告を受け、要因の分析や問題の把握に努め、各部門で医療安全の検討を行う際のサポートや院内全体への注意喚起、研修の企画等を行っています。
また、委員会組織として上位に医療安全管理委員会、下位にリスクマネジメント委員会を置き、さらに看護部医療安全委員会、診療技術部門小部会を組織しこれらの会議を通じて医療安全の協議や周知を行っています。
現場の医療行為の一つ一つに根拠を持って、安全に患者様に提供できるよう、また働く職員が安全に安心した環境で医療に専念できるよう現場の声を活かしながら活動を繰り広げています。
医療事故防止の基本的な考え方は、「ヒューマンエラーは起こる」という前提に基づき、エラーを誘発しにくい環境と、起こったエラーが事故に発展しないシステムを構築し、整備していくことである。
医療従事者個人レベルでの医療事故防止はさることながら、組織ぐるみの医療事故防止対策システム作りを行い、それを充実させることが肝心である。
本院の基本方針である「患者様の人権を尊重し良質で適切な医療を提供する」ためには病院長を中心に全職員を包括した病院全体としての医療事故防止対策システムの充実を図り、事故がなく患者が安心して受診できる医療の確立を目指す。
インシデント・アクシデント報告からの問題は、個人の問題として捉えるのではなく、院内システムの問題であるとの考えから、各部門長がリスクマネジャーとなり職域を超えて患者を取り巻く医療環境上の問題を共有します。
さらに、さまざまな職種がチームを組み、問題を分析した上で具体的な改善策や未然防止策を検討し、患者様により安全・安心な医療の提供を目指します。
リスクマネジメント委員会の取り組みを現場で実行すべく科学的・客観的な分析・実施・評価を行い安全な医療やケアを提供するため活動しています。
職種や部署を超えて気づきや事例からの学びの共有をめざし、0レベル(未然発見レベル)のより多くの報告に取り組んでいます。
特にインシデント・アクシデント報告の多い医薬品関連、転倒転落事故を中心に他職種の意見も確認しながら、分析・対策を立て、患者様に安全な医療を提供すると同時に、働く職員にとっても安全な労働環境にできるよう日々活動しています。
職員から応募された「あんぜん川柳」から優秀作品が投票で選ばれ表彰されました。
各作品は、院内啓蒙ポスターや注意喚起に利用されます。
業務を中断する時には業務中断カードを現場に置き、途中忘れや他者介入によるリスク発生を防ぎます。
裏面には職種ごとに重要な取り決め事項が書かれています。
<看護部例> | <事務部例> |
全職員を対象とした医療安全に関する研修会の開催の他、多職種によるグループワーク等を行い、院内の安全文化の醸成や職員の安全意識の向上を目指しています。
<医療安全 KYT研修風景> | <医療安全 急変事象シミュレーション研修風景> |
院内では感染や予期せぬ事故に遭遇する可能性がございます。
院内における安全と安心な環境を守る為に、以下の点について皆様のご協力をお願いいたします。
チェックのある方は、転倒転落を起こす可能性があります。
無理な時は介助いたしますので遠慮なく看護師をお呼び下さい。
安全な入院生活について一緒に相談考えましょう。
筋力が落ちている方は、座ったままの足踏みや歩行訓練が転倒防止に有効です。
リハビリ指導についてもご相談ください。
当院では、様々な指標データから当院の状況を分析評価しています。
これらのデータは、全部署で共有し、対策の立案、安全文化の醸成に役立てています。