先進高度医療の発達に伴い、院内には重症の基礎疾患を持つ易感染者が入院している一方、病院環境には院内感染の原因となる細菌等が選択的に存在しています。こうしたことが院内感染を起こしやすい原因ともなっています。
当院の基本方針「最高の診療体験」を支えていくため、院内感染の発生を未然に予防し、また発生した感染症をすばやく制圧することは安全な医療提供において重要な基盤のひとつであります。
このため当院では
当院には院内感染予防及び対策、医療廃棄物処理対策、病院内の防疫及び廃棄物に関する問題点の把握、検討を目的に感染防止対策委員会を設置しています。
また感染防止のための実働部隊として感染対策チーム(以下ICT)を設置し、週1回のラウンドを行い、広域抗菌薬の適正使用状況の確認、標準予防策の実施状況、マニュアル遵守の状況確認、院内の感染状況を示すサーベランスデータなどの把握に努め、現場の感染にかかわる問題点の抽出や対策活動を行います。さらに感染防止対策委員会やICTから院内感染等に関する事項の報告を経て、院内感染制御のための業務等を指定する決定機関として医療安全管理委員会を設置しています。
院内発生の医療関連感染症が、正常範囲の発生か、アウトブレイクによるものか判断つきにくいときなどに感染防止対策委員会、ICTなどと相談のうえで外部支援事業を活用し、迅速な感染制圧等につなげています。
基礎的知識・技術からの最新の感染防止情報にいたるまで年2回以上職員に教育研修を行い、全職員に周知し院内感染防止につなげています。
院内感染上問題となる菌の検出状況は当院で定められた経路と方法で院内で把握されています。 院内感染が疑われる事例が発生した場合には速やかに医療安全管理室および感染管理室に報告し、現状把握のための調査を行います。必要に応じ臨時感染防止対策委員会を開催し関係各部署での具体的防止策を検討し現場に指示します。同時に疫学調査を実施し原因の究明、適切な対応策を検討実施することで感染制圧、終息につとめています。
感染症の予防及び感染症法に該当し報告義務のあるものに関しては法律に基づいて行政に報告しています。
針刺しをはじめ血液曝露防止対策の実施と検討、曝露後の対応(B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、HIVウイルスなど)を行っています。さらに職員へのワクチン接種を実施しています。
感染症の流行が見られる場合には、ポスター等の掲示物で情報提供を行います。合わせて、感染防止のために手洗い、手指消毒等について理解と協力をお願いしています。