胆道の機能とは?
胆道とは、肝臓から十二指腸まで運ばれる胆汁の通り道を指します。
胆汁は肝臓で作られ、十二指腸に運ばれます。
1日に約600ml分泌されています。
胆汁は、食物中の脂肪に作用し、脂肪の消化吸収に重要な役割をはたしています。
ですので、胆汁が十分に分泌されないと、脂肪分を摂取した際に消化吸収が不十分 となり、下痢になることがあります。
胆石とは?
胆のうや肝臓、胆管にできる結石(石)の総称です。
結石がどこにあるかで胆のう結石、肝内結石、総胆管結石(胆管結石)という名称がつきます。
結石は、肝臓から分泌される胆汁(脂肪の消化を助ける)の成分が固まってできたもので、通常コレステロール結石と呼ばれています。
その他にも色素胆石と呼ばれる、ビリルビンカルシウム石(大腸菌感染によって発生)や黒色石(溶血の亢進によって発生)等があります。
どんな予防方法がありますか?
遺伝性もありますが、主にコレステロール(脂肪分)の過剰摂取を控えてください。
どんな症状がでますか?
自覚症状として激しい右季肋部痛(肋骨の下あたりの痛み)、心窩部痛(みぞおち)、背部痛、発熱、黄疸があります。
特に、胆石の痛みの場所は個人差があり、いろいろな場所に痛みの症状がでます。
また、胆石により胆汁や膵液の流れが妨げられ、胆のうや膵臓に炎症を起こすことがあります。
代表的なものとして急性胆のう炎、急性胆管炎、急性膵炎などがあります。
いずれも重症化するとショック状態などを引き起こし、死に至ってしまうケースがあります。
希望すれば誰でもこの手術が可能ですか?
腹腔鏡下手術は直径1cmほどのカメラで行うので、手術の際見える視野が限られています。
その為、内臓脂肪が多かったり、胆嚢がんが疑われる場合、腹部手術の既往など癒着のはげしい場合は初めから開腹手術になったり、手術の途中から開腹手術に移行する場合もあります。
気腹法による身体への影響はありますか?
気腹を行うと、腹腔内圧が上昇します。
これにより太い静脈からの血液の戻りが悪くなり、血圧が低下したり、肝臓や腎臓への血流が低下して働きを鈍らせる可能性があります。
その他に、横隔膜が挙上され肺が圧迫されることで、換気が不十分になることがあります。
体内に入れるCO2ガス(炭酸ガス)は、腹膜から容易に吸収されやすく、高炭酸ガス血症となるため、全身麻酔中には十分に換気を行うことにより、ガスを体外へ排出しています。
麻酔科医師が手術中に全身管理をしているため、こういった合併症が起こる可能性は極めて低い状況です。
安心して手術を受けていただけます。
痛みや症状が全くないのですが手術は必要ですか?
無症状性胆石症と呼ばれるもので、胆石があってもまったく症状がなく、人間ドックや検査で初めて診断されることもあります。
通常痛みのない場合には手術の必要はありませんが、定期的な検査は必要となります。
しかし、結石が多数認められる場合や胆のうの壁が肥厚している場合などは手術をお勧めすることもあります。
手術以外の方法や石だけを取り除くことは可能ですか?
胆石溶解薬の内服や超音波によって石を破砕する方法もありますが、これは一時的な治療法で結石をなくすことはできません。
一度胆石症になると、胆嚢は結石を作りやすい環境となってしまうため、手術の際には胆のうから石だけを取り出すのではなく、胆のうを丸ごと石と一緒に取り出す必要があります。
そこで胆のうはなくなっても大丈夫?という疑問が残りますが、大きな問題はありません。
胆のうは、胆汁を一時的に貯溜し濃縮する臓器です。
胆汁は食物の脂肪消化の働きを担っており、手術により胆嚢が摘出されると、胆汁を一時的に貯溜したり濃縮する場所がなくなってしまいます。
そのため脂の吸収が不十分となることがあり、下痢をしやすい状態になります。
ですので、手術後は脂っこい食事を控えることをおすすめします。
入院はどれくらいの日数が必要になりますか?
約5日間を予定しています。
日本内視鏡外科学会技術認定制度は、術者による技術の差が大きいとされる腹腔鏡などの内視鏡外科手術に関して、医師の技量を日本内視鏡外科学会が審査し認定する制度です。
実際の手術を撮影したビデオを用いて共通の基準で評価し、所定の基準を満たした医師のみ認定されます。